海外のポーカー大会と日本人選手を、数字で読む

ポーカーのニュースを読む用語集(ITM・ブレスレットほか)

解説更新

ポーカーの大会ニュースに出てくる ITM・バブル・ブレスレット・ハイローラーなど22項目の意味を、ニュースでの使われ方を示す例文つきで整理した用語集です。大会の形から、結果、ハンドの言葉まで並べました。

ポーカーの大会ニュースに出てくる22項目を、意味と、ニュースでの使われ方の例で並べました。最初の「まず覚えること」だけ読めば足ります。各項目は、記事で見かけた言葉の所だけ探してください。

各項目の「例:」は、使われ方を示すために作った架空の文で、実在の大会や選手の結果ではありません。実在の結果や発表を使った箇所は「実例」と書き、出典を添えています。まだ開かれていない大会は、2026年10月29日時点の発表です。

まず覚えること

  1. 賞金が出る順位に入ることを ITM、最後の1卓に残ることをファイナルテーブルと言います。
  2. 参加費がバイインです。集まったバイインが、賞金(プライズプール)の元になります。
  3. ブレスレットは、WSOP(ワールド・シリーズ・オブ・ポーカー)で対象の種目の優勝者に贈られる腕輪です。メインイベントは中心の大会、ハイローラーはバイインが高額な大会を指します。
  4. チップは大会の中だけで使う持ち点で、賞金額とは別です。チップリーダーは、その時点でチップを最も多く持つ選手のことです。

大会の形

バイイン(buy-in)

大会に参加するための参加費です。表記は大会ごとに違い、手数料を含めた合計で書く場合と、賞金になる分と手数料を分けて書く場合があります。

例: 「バイイン$2,000のイベントに、日本人選手3人が出場した」

エントリー(entry)

大会への参加1回分です。リエントリーのある大会では、1人が複数回参加できるので、エントリー数は実際の人数より多くなることがあります。

例: 「エントリー数は412に達した」

リエントリー(re-entry)

敗退したあとに、もう一度バイインを払って同じ大会に参加し直せる仕組みです。再参加できる期間と回数は、大会ごとに決まっています。

例: 「初日に敗退した選手が、リエントリーで別の組に入り直した」

フリーズアウト(freezeout)

リエントリーのない形式です。チップを失って敗退したら、その大会は終わりです。

例: 「このイベントはフリーズアウトで、敗退した選手は再参加できない」

フィールド(field)

大会に参加した選手の全体を指します。「フィールドが大きい」と書かれていれば、参加者の多い大会です。

例: 「1,000人を超えるフィールドの中で、日本人選手が上位に残っている」

プライズプール(prize pool)

賞金の総額です。バイインの合計から運営の手数料を引いた額になるのが一般的で、順位ごとの賞金は、大会ごとの配分表に従ってこの総額を分けて決まります。

例: 「賞金総額は$2,000,000で、優勝賞金は$450,000だった」

ギャランティー(guarantee / GTD)

主催者が事前に「賞金総額は最低でもこの額」と約束した金額です。集まったバイインが保証額に届かないときは、主催者が足りない分を負担します。この不足分をオーバーレイと言います。保証額を超えたときは、実際に集まった額が賞金総額になります。

実例(2026年10月29日時点の発表): WSOP Paradise 2026(12月開催予定)の保証額は、全体で$120Mです(PokerNews の報道による)。

結果の言葉

ITM(In The Money)

賞金が出る順位に入ることです。賞金をもらえるのは上位の一部だけで、その中に残ったことを「ITM」や「入賞」と書きます。

例: 「日本人選手2人がITMを果たした」

ミニマムキャッシュ(min cash)

賞金が出る順位のうち、いちばん下の順位の賞金を指します。その順位で終わることも「ミニマムキャッシュ」や「ミニキャッシュ」と呼びます。

例: 「最低賞金の$3,000を得て、ミニマムキャッシュで終えた」

バブル(bubble)

あと1人が敗退すれば、残った全員が賞金圏に入るという状況です。その1人が敗退して全員の入賞が決まることを「バブルが弾ける」と言い、賞金を逃した最後の選手は「バブルボーイ」(女性なら「バブルガール」)と呼ばれます。大会によっては、バブルの間、全卓が1回の勝負(1ハンド)ずつ終わるのを待って進める「ハンドフォーハンド」で行われます。

例: 「ハンドフォーハンドが1時間以上続いたあと、バブルが弾けた」

ファイナルテーブル(final table / FT)

大会の最後の1卓です。残った選手が1つの卓に集まった段階で、席数は大会によって違います。略して「FT」と書かれ、「FT進出」はこの卓に残ったという意味です。

例: 「日本人選手がFT進出を決めた」

チップリーダー(chip leader)

その時点でチップを最も多く持っている選手です。「Day 1 のチップリーダー」のように、その日の終わりの時点でも使われます。チップは大会の中だけの持ち点で、そのまま賞金にはなりません。

例: 「Day 2 開始時のチップリーダーは、約120万チップを持つ選手だった」

ヘッズアップ(heads-up)

2人だけで勝負する状況です。大会では、最後の2人になって優勝を決める対戦を指すことが多く、1対1だけで行うゲームの形式を指すこともあります。

例: 「ヘッズアップは約3時間続いた」

大会とシリーズ

ブレスレット(bracelet)

WSOP で、対象の種目の優勝者に贈られる腕輪です。対象の種目を「ブレスレット種目」と言い、何個持っているかが選手の実績として数えられます。

実例(2026年10月29日時点の発表): WSOP Paradise 2026 は、バハマの Baha Mar で12月2日から17日に開催される予定です。ブレスレット種目は20あります(PokerNews の報道による)。

例: 「優勝して、自身初のブレスレットを手にした」

メインイベント(main event)

同じ時期に開かれる大会の集まり(シリーズ)の中心になる大会です。バイインはシリーズごとに違い、1つのシリーズに複数のメインイベントがあることもあります。

実例(2026年10月29日時点の発表): WPT World Championship(ラスベガス、12月開催予定)のメインイベントは$10,400です(PokerFuse の報道による)。11月に北キプロスで開催予定の Triton は、Triton ONE と Super High Roller Series の2つで構成されます。Main Event は、Triton ONE が$8K、Super High Roller Series が$100K です。後者には2種目あります(PokerNews の日程記事による)。

ハイローラー(high roller)

バイインが高額な大会です。金額に決まった線はなく、主催者やシリーズごとに呼び分けています。同じシリーズの中で、通常の種目よりバイインの高い大会に、この名前が付くのが一般的です。参加者は少なくなりがちです。

実例(2026年10月29日時点の発表): Triton ONE(北キプロス、11月開催予定)には、$8K の Main Event のほかに、$15K の High Roller があります。High Roller は11月13日から15日の予定です(PokerNews の日程記事による)。

スーパーハイローラー(super high roller)

ハイローラーより、さらにバイインが高い大会です。ハイローラーと同じく、呼び分ける金額の線は決まっていません。

実例: KPC Poker October Series 2026(済州)の「King’s 60K Super High Roller」は、バイイン$60,000の大会でした。結果は末尾の「結果の記事で確かめる」に書いています。

Day 1 / Day 2

複数日にわたる大会で、日ごとの区切りを Day 1、Day 2 と呼びます。初日が Day 1 で、そこを勝ち残った選手が翌日の Day 2 に進みます。参加者の多い大会は、初日を「Day 1A」「Day 1B」のように複数の組に分け、勝ち残った選手が Day 2 で合流します。

例: 「Day 1B を終えて、日本人選手2人が Day 2 に進んだ」

ハンドの言葉

バッドビート(bad beat)

負けた側が、その時点では勝つ確率の高い手を持っていたときに使います。カードの出方で逆転されて負けた場面です。

例: 「大きくリードしていたが、最後の1枚で逆転され、バッドビートで敗退した」

クーラー(cooler)

両者とも強い手を持ち、大きなポット(賭けられたチップ)になるのを避けにくい組み合わせです。負けた側にも強い手があったので、判断で避けるのが難しかった負けに使います。同じ場面が、バッドビートとクーラーのどちらの言葉でも呼ばれることがあります。

例: 「強い手同士がぶつかるクーラーで、チップの半分を失った」

アウツ(outs)

自分の手が勝つ手に変わる、残りのカードの枚数です。「9アウツ」のように枚数で書きます。たとえば、自分の手札と場のカードで同じマーク(スート)が4枚見えていて、5枚そろう役(フラッシュ)を待つとします。マークごとのカードは13枚なので、残りの9枚がアウツです。

例: 「9アウツが残っていて、そのうちの1枚が出て逆転した」

エクイティ(equity)

その時点で、ポットのうち自分が取れると期待できる割合です。残りのカードを出して勝敗を決める1対1の場面では、勝つ確率に、引き分けの確率の半分を足した値になり、% で書かれます。中継に出る「勝率」とほぼ同じ意味で使われます。

当サイトの計算: 最初の2枚が配られた段階(プリフロップ)で、相手の手を決めない場合のエクイティは、エースのペア(AA)が約85%、マークの違う7と2(72o)が約35%です。相手が持ちうる2枚を組み合わせの数で重みづけして平均し、場に出る5枚の出方はすべて数え上げた全数計算で、引き分けは半分として扱っています。

例: 「エクイティで上回る日本人選手が、そのまま勝ち切った」

結果の記事で確かめる

KPC Poker October Series 2026(済州)は、10月10日から21日までの開催です(somuchpoker の大会カレンダーによる)。その1種目の「King’s 60K Super High Roller」は、LES A Casino で開かれました。結果は somuchpoker の記事で報じられています。バイインは$60,000、エントリーは66、賞金総額は$3,706,600です。優勝は台湾の Eric Tsai で$1,046,600、日本の Ryuta Nakai が5位に入って$300,000を得ました。

この結果を上の言葉に当てて読むと、次のようになります。

  • 大会名の「60K」は、バイインの$60,000を指します。
  • 66エントリーに$60,000を掛けると$3,960,000で、報じられた賞金総額より$253,400多くなります。差の理由は確認できていません。バイインに運営の手数料が含まれるのが一般的なので、その分の可能性はありますが、この大会の内訳は分かりません。
  • 当サイトが取得できた結果は、1位から9位までの賞金です。賞金が出る順位がどこまでか(ITM のライン)と、リエントリーの有無は、確認できていません。

出典

  1. somuchpoker「Eric Tsai Wins King's 60K Super High Roller for $1M at KPC Poker October Series」
  2. PokerNews「Triton ONE & Super High Roller Series N. Cyprus 2026 Schedule」
  3. PokerFuse「The 2026 WPT World Championship Is Returning to Las Vegas This December」
  4. PokerNews「The 2026 WSOP Paradise Schedule Boasts 20 Bracelets and $120M in Guarantees」
  5. somuchpoker「KPC Poker」大会カレンダー(シリーズの日程)